日時/2024年9月7日(土)9:30~11:10(9:15受付開始)
会場/かつしかシンフォニーヒルズ 別館2階メヌエット
東京都葛飾区立石6-33-1
料金/無料
セミナーレポート
第1部
株式会社ファルベ 代表取締役 石川真樹
第1部はファルベ代表の石川が担当し、地主様の資産承継について一般的な相続対策という視点を離れ、次の世代に資産を損なわずにつなぐために今やらなければならないことを伝えました。
【価値のあるものを次の世代に円満につなぐ】
これが資産承継の基本です。とてもシンプルに感じますが、最も重要で難しいのが「価値のあるもの」の見極めとだと言います。
具体的には、どのような土地なのか、建物の状態はどうなのか、どのような建物が建てられるのか、など現状を分析して不動産の経済的価値と問題点を明確にします。
「次の世代に円満につなぐ」という面では、相続に関するリスク要因(分割・納税・認知症など)を俯瞰して総合的に一番プラスになる打ち手を考えるべきと説きます。
【次の世代に懸案事項を引き継がないようにする=自分の代で解決する】
各論として貸宅地の問題点と出口対策にも触れました。ここで重要なのは、地主が借地権者との共同事業という認識で出口戦略を共有する事にあるとしています。
併せて、解決策の選択については「期間利益のメリット」を考慮すべきと言っています。
これは、早く手を打てばその分だけ利益を受けられる期間が長くなることで、ともすれば感情面に引きずられることの多い貸宅地問題では示唆に富むアドバイスで終わりました。
第2部
不動産鑑定士吉儀事務所 不動産鑑定士 吉儀 康彦 氏
第2部を担当する吉儀康彦さんは、貸宅地問題に特化した不動産鑑定士で、地主様にとっては問題解決まで伴走してもらえる心強いパートナーです。
貸宅地に起こりがちな問題は借地権者との金銭的な面に焦点が当たりますが、一番大きな問題は相続税評価額が時価よりも高く相続税を含めた長期間の収支が赤字になる場合もあるという現実を知ることからセミナーがスタートします。
前半では、貸宅地の特徴から金銭的な問題点の解説を交え、地主様にとって生前に整理すべき資産であるという事を丁寧に解説しています。
後半では、貸宅地を整理する手段について事例を出して紹介しています。
その中で今回の話題として「借地人の相続人不明の場合」を取り上げています。
少子高齢化が進む中で最近問い合わせが多くなっているようです。
この場合に地主として取るべき作業をフローチャート化して示し、上手な対応策を実際の例を基に紹介する事で、参加した皆さんの不安感を和らげている様子が感じられます。
まさに、貸宅地問題の専門家ならではのこのセミナー、次の開催は同じ会場で平成7年1月18日(土曜)です。