民法改正に伴って押さえておきたい相続実務(民法面)と相続税申告実務との関係を確認
相続税の申告を行う場合でもその基礎とされるのは民法です。民法の知識を得ておくことが相続実務には必要で不可欠なものとなっています。近時の民法改正は広範囲なものがあり、その確認は必須なものと考えられます。
本講座では、民法(相続編)における重要項目を確認し、その内容及び相続税申告実務に与える影響を確認してみます。また、話題の『配偶者居住権』については、相続税等における評価方法、小規模宅地等における課税特例の適用関係やみなし贈与課税の発生問題についても確認してみることにします。
1. 相続人の範囲とその法定相続分
(1) 『相続』とはどういうことか?
(2) 相続人、相続順位及びその法定相続分はどのようになっているのか?
(3) 相続順位が第2順位、第3順位となる場合の具体的事例にはどのようなものがあるのか?
2. 何が相続財産となるのか(相続財産の範囲)
(1) 民法上における相続財産の範囲
(2) 遺産分割前に相続財産が処分された場合の相続財産の範囲(特別受益が存在しない場合の取扱い)
(3) 遺産分割前に相続財産が処分された場合の相続財産の範囲(特別受益が存在する場合の取扱い)
(4) 遺産分割前に預貯金債権が共同相続人によって払い戻された場合の取扱い
(5) (2)((3)を含む)と(4)の規定の差異とその具体的な適用事例
3. 配偶者短期居住権の意義とその留意点
(1) 配偶者短期居住権が新設された趣旨
(2) 配偶者短期居住権の概要
(3) 配偶者短期居住権を主張することができない場合
(4) 配偶者短期居住権に係る利益評価
(5) 配偶者による配偶者短期居住権の使用
(6) 配偶者短期居住権の消滅事由
(7) 配偶者短期居住権の消滅と居住建物の返還等
4. 配偶者居住権の意義とその留意点
(1) 配偶者居住権が新設された趣旨
(2) 配偶者居住権の概要
(3) 配偶者居住権を審判により取得する場合
(4) 配偶者居住権の登記等(第三者対抗要件)
(5) 配偶者居住権に係る利益評価
(6) 配偶者による配偶者居住権の使用及び収益
(7) 配偶者居住権の消滅事由
(8) 配偶者居住権の消滅と居住建物の返還等
5. 相続税の課税財産(配偶者居住権)
(1) 配偶者居住権の概要と相続税等における財産評価の必要性
(2) 相続税等における配偶者居住権の評価上の特徴
(3) 配偶者居住権等の評価(その1:被相続人所有の居住建物に遺言で配偶者居住権が設定された場合)
(4) 配偶者居住権等の評価(その2:配偶者居住権の価額算定上の算式中の分数式部分が負数となる場合(1))
(5) 配偶者居住権等の評価(その3:配偶者居住権の価額算定上の算式中の分数式部分が負数となる場合(2))
(6) 配偶者居住権等の評価(その4:被相続人所有の居住建物に遺産分割協議(又は家庭裁判所の審判)により配偶者居住権が設定された場合)
(7) 配偶者居住権等の評価(その5:被相続人所有の居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合)
(8) 配偶者居住権等の評価(その6:居住建物を被相続人及びその配偶者で共有していた場合)
(9) 配偶者居住権等の評価(その7:賃貸兼居住建物を被相続人及びその配偶者で共有していた場合)
(10) 配偶者居住権等に対する小規模宅地等の課税特例の適用関係(その1:考え方)
(11) 配偶者居住権等に対する小規模宅地等の課税特例の適用関係(その2:実践的な事例の検討)
(12) 配偶者居住権が消滅した場合の課税関係(その1:考え方)
(13) 配偶者居住権が消滅した場合の課税関係(その2:実践的な事例の検討)
(14) 既に配偶者居住権の目的とされている建物及びその敷地である土地等の所有者に相続等があった場合の評価
6. 特別受益者が存する場合の相続分とその具体的な計算
(1) 特別受益者が存する場合の相続分
(2) 特別受益の持戻し上の留意点
(3) 配偶者短期居住権・配偶者居住権に係る利益評価と特別受益の認識の必要性
(4) 一定の居住用不動産の取得等に対する持戻し免除の意思表示の推定
(5) 特別受益者が存する場合の相続分(具体的な計算(その1)一般的な場合)
(6) 特別受益者が存する場合の相続分(具体的な計算(その2)持戻し免除の推定を受ける配偶者居住権の遺贈があった場合)
(7) 特別受益者が存する場合の相続分(具体的な計算(その3)持戻し免除の推定を受ける居住用不動産の贈与又は遺贈があった場合)
7. 寄与者が存する場合の相続分とその具体的な計算
(1) 寄与者が存する場合の相続分
(2) 寄与者が存する場合の相続分(具体的な計算設例)
8.特別寄与者が存する場合の特別寄与料の取扱いとその具体的な計算
(1) 特別寄与者が存する場合の特別寄与料
(2) 特別寄与者が存する場合の特別寄与料(具体的な計算設例)
9. 相続財産等の価額(評価時点と評価基準)
(1) 相続財産の価額(評価時点と評価基準)
(2) 具体的相続分を算定する場合における相続財産及び特別受益の価額(評価時点と評価基準)
(3) 具体的相続分を算定する場合における相続財産及び特別受益の価額(相続開始時から遺産分割時までの期間中に価額の変動があった場合の具体的な計算)
(4) 遺産分割における相続財産の価額と相続税の申告における相続税評価額
10. 遺産分割の方法(その1:指定分割・協議分割・審判分割)
(1) 遺産分割の方法
(2) 協議分割に基づく具体的な分割方法とその留意点
(3) 協議分割(審判分割)のうちの一部分割を行う場合の留意点
(4) 遺産の一部分割を家庭裁判所に請求することの可否に係る判断基準
(5) 遺産分割協議書のフォーム
11. 遺産分割の方法(その2:共同相続人中に未成年者等一定の者が存する場合の遺産分割協議)
(1) 共同相続人中に未成年者が存する場合
(2) 共同相続人中に胎児が存する場合
(3) 共同相続人中に不在者(行方不明者・生死不明者等)が存する場合
(4) 共同相続人中に認知係争中の者が存する場合
12. 相続の承認と放棄(単純承認・限定承認・放棄)
(1) 相続財産に係る承認手続きの種類
(2) 単純承認の意義とその効果及び留意点
(3) 限定承認の意義とその効果及び留意点
(4) 相続の放棄の意義とその効果及び留意点
13. 『遺言書』の作成(その1:遺言書の種類とその特徴)
(1) 遺言書はどのような場合に作成しておく必要があるのか?
(2) 遺言をすることができる者としてどのような要件が必要か?
(3) 遺言者の記載事項にはどのようなものがあるのか?
(4) 遺言の種類にはどのようなものがあるのか?
(5) 遺言書を作成する場合に、やはり『公正証書遺言』によることが望ましいか?
(6) 自筆証書遺言の作成方法(特に、自書不要部分の取扱いについて)
(7) 自筆証書遺言の法務局における保管制度
14. 『遺言書』の作成(その2:遺言と遺留分)
(1) 遺言書を作成することによって期待できる効果(特に、相続分に関して)は何か?
(2) 遺留分制度の概要
(3) 遺留分権利者とその割合
(4) 民法改正による『遺留分減殺請求権』から『遺留分侵害額請求権』への変更
(5) 各遺留分権利者が有する具体的な遺留分(金額)の計算方法
(6) 遺留分を算定するための財産の価額の算定方法
(7) 各個別の遺留分権利者に係る遺留分侵害額の算定方法
(8) 遺留分侵害額の負担方法(受遺者又は受贈者の負担額)
(9) 遺留分侵害額請求権の消滅時効
(10) 被相続人に係る相続開始前における遺留分放棄の可否
(11) 総合演習事例(遺留分侵害額の請求及び受遺者又は受贈者の負担額の算定)
15. 遺言の執行(遺言執行者について)
(1) 遺言書の検討
(2) 遺言執行者の指定及び選任並びに解任及び辞任
(3) 遺言執行者の業務及びその権利義務
16. 相続の効力等(登記等の対抗要件)
(1) 共同相続による権利承継と第三者対抗要件(その1:相続財産が債権以外である場合)
(2) 共同相続による権利承継と第三者対抗要件(その2:相続財産が債権である場合)